企業ドキュメンタリー / 制作思想
CMは誰も見たくない。会社紹介動画と企業ドキュメンタリーは何が違うのか
会社を説明する映像と、知らない人が自分から見たくなる作品。その違いと、長期密着という手法を大切にする理由を考えます。
企業ドキュメンタリーと、一般的な会社紹介動画は何が違うのか。
私は長年、テレビの報道番組やドキュメンタリーを作ってきました。
その経験から企業映像を考えるとき、最初に思うことがあります。
基本的に、CMは誰も見たくありません。
少し乱暴な言い方ですが、テレビを作ってきた人間だからこそ、これはよく分かります。
テレビを見る人は、CMを見るためにテレビをつけているわけではありません。
ドラマを見たい。ニュースを見たい。スポーツを見たい。ドキュメンタリーを見たい。
その途中にCMが入ります。
YouTubeでも同じです。
広告が表示されたら、多くの人はスキップします。
企業がYouTubeに、
「弊社のサービスをご紹介します」
という動画を公開しても、そもそもその会社を知らない人には、見る理由がありません。
どれだけ映像がきれいでも、社長が熱心に会社への想いを語っていても、
企業が伝えたいことと、視聴者が見たいものは同じではない。
ここを間違えると、制作費をかけて立派な映像を作っても、ほとんど見られないということが起きます。
会社紹介動画が悪いわけではない
もちろん、会社紹介動画には役割があります。
すでに会社に興味を持っている人へ、
何をしている会社なのか。どんな商品があるのか。どんな設備を持っているのか。
それを短時間で説明するなら、とても便利です。
営業先へ見せる。採用説明会で流す。自社サイトに置く。
そういう目的なら、会社紹介動画の方が向いている場合もあります。
私も、
「企業映像は全部ドキュメンタリーにすべきだ」
とは思っていません。
問題は、
まだ自社を知らない人に、興味を持ってもらいたい場合です。
知らない会社の説明を、わざわざ10分も20分も見ようという人は、ほとんどいません。
そこで必要になるのが、
説明ではなく、物語です。
会社を宣伝するのではなく、会社の中にある物語を見せる
テレビの取材で中小企業へ行くと、
「うちなんか撮って面白いんですか?」
とよく言われました。
でも、実際に取材をすると、何もない会社はほとんどありません。
なぜ創業したのか。
何に失敗したのか。
会社を継ぐのか。
社員と経営者は何を考えているのか。
なぜ顧客はこの会社を選んでいるのか。
新しい事業に挑戦しているかもしれない。
会社の中にいる人たちにとっては、毎日のことで当たり前すぎる。
だから、自分たちでは「物語」だと気づいていないだけです。
私たちがドキュメンタリーを作るときに探すのは、
「会社が何を言いたいか」
だけではありません。
「この会社を知らない人でも、見たくなるものは何か」
を探します。
誰を主人公にするのか。
その人は何に悩んでいるのか。
何を変えようとしているのか。
何が起きるのか。
まず、一人の人間の物語として見てもらう。
そして見終わったときに、
「面白い会社だな」
「こういう人たちが働いている会社なんだ」
「この会社を応援したい」
「この会社で働いてみたい」
「この会社に頼んでみたい」
と思ってもらう。
私は、この順番の方が自然だと思っています。

広告ではなく、「見たくなるもの」を作る
広告そのものが悪いわけではありません。
大量に認知を取りたいなら、広告は非常に強力です。
テレビCM、Web広告、SNS広告などへ予算を投じ、多くの人の目に触れさせる。
これは大企業には有効な戦い方です。
ただ、中小企業が同じ物量で戦うのは簡単ではありません。
だったら、
広告を無理に見せるのではなく、
自分から見たくなるコンテンツを作る。
人や会社の物語をきちんと取材し、一本の作品として面白くする。
それを見た結果として、会社や商品まで知ってもらう。
これは、資金力だけではなく、
企画、取材、構成
で戦える方法です。
私が企業ドキュメンタリーに可能性を感じている理由も、そこにあります。
会社紹介動画は「説明する」。ドキュメンタリーは「理解してもらう」
会社紹介動画と企業ドキュメンタリー。
どちらが優れているという話ではありません。
役割が違います。
会社紹介動画は、
「私たちはこういう会社です」
と説明する映像。
企業ドキュメンタリーは、
人や出来事を見せることで、
「この会社は、こういう会社なんだ」
と理解してもらう映像。
だと私は考えています。
テレビでもYouTubeでも、人は広告を見るためにメディアを開くのではありません。
面白いもの。知りたいもの。心が動くもの。
を見るために開きます。
だから企業の宣伝も、そのまま宣伝として見せるのではなく、
「見たいもの」に変える。
それが、私たちが考える企業ドキュメンタリーです。
では、なぜ「長期密着」なのか
ただし、
会社の中にドラマがあることと、それを映像として撮れることは別です。
一度のインタビューで、経営者が何を考えているのかを聞くことはできます。
でも、
その人が実際にどう判断したのか。
失敗したときにどうしたのか。
社員との関係がどう変わったのか。
挑戦した事業がどうなったのか。
会社が一年後にどうなっているのか。
そこまでは、半日や一日の撮影では分かりません。
だから、時間をかけます。
同じ人に何度も会う。
同じ会社へ何度も通う。
会議を見る。
仕事を見る。
失敗を見る。
迷っている時間も見る。
最初の取材では存在していなかった出来事が起きるまで待つ。
そうして時間が積み重なると、
最初はただの「会社紹介」だったものが、一人の人間と会社の物語になっていきます。
有名人だから物語になるのではありません。
どんな経営者にも、どんな社員にも、どんな会社にも、
丁寧に掘っていけば、その人たちにしかないドラマがあります。
ただ、それを見つけるには時間が必要です。
判断。
葛藤。
失敗。
変化。
人との関係。
そして、その先にある結果。
時間をかけて追うからこそ、言葉だけでは伝わらないものが見えてくる。
そこに、
説得力や、面白さや、親近感や、信頼が生まれる。
だから私たちは、
企業ドキュメンタリーの中でも、
「長期密着」
という方法を大切にしています。
公開して終わりではない
そして、企業ドキュメンタリーには、もう一つ大きな特徴があります。
完成して公開したあとも、作品が残り続けることです。
営業担当者が働いていない夜中でも。
会社が休みの日でも。
何年か経ったあとでも。
誰かがその作品を見て、初めて会社を知ることがあります。
そこから、
会社に興味を持つ。
商品やサービスを知る。
働いてみたいと思う。
応援したいと思う。
相談してみたいと思う。
一本の作品が、会社を知ってもらう入口として、公開後も働き続けます。
一時的な広告ではなく、
5年、10年と残る可能性のある、会社の映像資産にする。
そこまで含めて、企業ドキュメンタリーだと考えています。

企業を「説明する」のではなく、「知ってもらう」
ティドワースロードでは、
企業と、そこで働く人に長期密着し、
人や会社の中にある物語を掘り起こし、
一本のドキュメンタリーとして作品にします。
ただ会社を説明するのではなく、
その会社を知らなかった人にも、見たいと思ってもらう。
そして、
知ってもらう。理解してもらう。好きになってもらう。応援してもらう。
そのための企業ドキュメンタリーを作っています。
制作実績・料金・制作方法については、こちらをご覧ください。
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